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ご挨拶・ゆいの里からのメッセージ(トップページメッセージ)


【ご報告】「第15回 在宅ケアネットワーク栃木」報告
雪の降る2月11日、たくさんのご参加、ありがとうございました。

NPO法人ゆいの里 代表
第15回 在宅ケアネットワーク栃木大会長 飯島惠子

「在宅ケアネットワーク栃木」の市民公開講座は、代々、医師が大会長をつとめて来ましたが、昨年は薬剤師、そして、第15回を迎えた今回、はじめて医療職ではない、ソーシャルワーカーであり、ケアマネジャーの福祉職がつとめました。

「地域でともに活きるために」〜キュアからケアへ〜 と題し、当事者が自ら語る地域で活きていくことを多くの市民と共にお聞きし、共有して、障害や認知症を我が事として捉え、地域でいかに暮らしていくか、どう生きていきたいかを考え、制度や専門職の力だけでない地域のつながる力やお互い様の支え合いのきっかけを育めたらと企画しました。市民一人ひとりの意識の変容がこれからの在宅ケアや地域づくりへとつながっていきます。

従来からの医療・看護・自治体関係者、会員への広報のほかに、「とちぎソーシャルワーク共同事務所」を通じ、福祉職の介護福祉士や精神保健福祉士、「認知症の人と家族の会栃木県支部」や県内のNPOやボランティアのネットワークにも開催案内を行いました。

結果、参加者は80代から10代まで、家族を介護する方たち、身体障害者デイサービスを利用する本人と家族と職員、知的障害者入所施設の利用者(地域へ戻るためにがんばっている人たち)と職員、精神障がいと共に地域で生きるNPOの仲間たち、がんサバイバーなど、専門職では無い一般の方と学生が参加者の35%を占めました。

第15回の公開講座で特筆すべきことは、時期的に、インフルエンザが流行し、当日は朝から大雪の注意報の中、キャンセルの連絡も多く入りましたが、当日参加の方もおられて、最終的に530名の参加者を一日中雪の降り続く自治医科大学にお迎えできたこと。そして、参加者の中の50名を越える学生、医師、看護師、MSW、ケアマネジャー、介護職、家族の会の皆さんが、ボランティアとして、雪の降る寒い朝8時30分に会場の自治医大に集合し、簡単なミーティングの後、それぞれに道案内や駐車場係、当日資料の袋入れや参加者の受付、舞台設営、弁当の引換など、午前の部の基調講演のテーマ通り、まさに多職種が連携して、市民公開講座の運営を担ったことです。

その多職種連携の源となっているのが、「在宅緩和ケアとちぎ」のメーリングリストです。このメーリングリストの仲間たちは、栃木県内にとどまらず、関東全域から、遠くは京都、ドイツに暮らす人も情報を共有するネットワークとなっています。

第15回 在宅ケアネットワーク栃木<br>
2011年2月11日の朝8時半、自治医大にてボランティア集合の写真
第15回 在宅ケアネットワーク栃木
2011年2月11日の朝8時半、自治医大にてボランティア集合の写真

3月11日に起きた東日本大震災も、このメーリングリストで県内の情報を共有し、県内の被災状況や避難所支援の様子が見えて来ました。東北道復旧後は、被災地で今、必要な医療・介護用品や生活用品などの支援物資をメーリングリストで呼びかけ、その翌日には必要な物資が集まり、2回に渡り、顔の見える被災地へとトラックが走り、必要な物資を手渡ししてくることができました。

以下、参加者から、メールで寄せられました感想、意見を転載して、「第15回 在宅ケアネットワーク栃木」の報告とします。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

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●生憎の雪模様の天気でしたが、、過去最高の500名超のご参加があり シンポジストの先生方と聴衆の皆様の熱気溢れる姿勢に感動を覚え、有意義な一日を過ごさせていただきました。太田先生の、在宅ネットワーク栃木の15年の振り返りとこれから、野中猛先生の、ロジスティクな多職種連携の原則について 午後の第二部では、、飯島さんの優しい進行での患者様、ご利用者様ご家族(認知症・多発性硬化症)のお二人のご登壇で、、お二人を取り巻く地域の多職種の皆さんの事例ご紹介、思わず目頭が熱くなり、、涙涙(小生も60歳を過ぎて、かなり涙もろくなりました。変形性脊柱管狭窄症で、硬膜外ブロックとトリガーポイント注射 前日治療もあり、、わが身に置き換えて、、)でした。これからも栃木大会様を筆頭に、全国各地で地域医療の推進がうねりになり、“地域で活きる”“住みよいまちづくり”が進むことを願っております。ありがとうございました。(薬剤師)

●午後のセッションは1部:認知症の男性と2部:多発性硬化症の女性という2部構成で、いずれも、真っ先に当事者が登場され、次第にサポートの人が増えてきて最後には、サポートチームが壇上に勢ぞろいという斬新な形でした。当事者の素のお人柄としぐさがよくて、会場の皆さんも力をいただけたのではないかと思います。地域にある社会資源がつながっていくさまはまさにソーシャルワークと感じました。すばらしい場を共有させていただきありがとうございました。(医師)

●いつも 皆様の熱いメッセージに 励まされております。先日の「在宅ネットワークの栃木」の大会に参加し、栃木の皆さんの元気をいただき、専門職による介護者支援のシステムや、ネットワークの大切さを実感して参りました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。(ケアマネジャー)

●午前も午後も素晴らしい企画と内容で、雪の中を横浜から参加した価値はたくさんありました。「当事者力」と「メッセージの発信力」が今回のキイワードかもしれません。その意味で、最後の登場人物、グレース・愛喜恵さんの活動報告は、「新しい社会」はこうした元気な若い人たちによって切り拓かれる、という衝撃的なメッセージとして受け止めました。(一般)

●勤務する病院の病棟看護主任が、11日の大会で目から鱗がいっぱい落ちた!と興奮気味に話してくれました。「病院の外の、地域・在宅で起こっていること」を目の当たりにして、病院の訪問看護STから時に伝わる在宅医療・訪問看護とはまた別の、当事者の自立、それを支える数々の職種のダイナミックかつ繊細なネットワークと連携に、いたく感動し刺激されたと申しておりました。大会の場で「感じた」ことをもとに、地域で支える・地域が支えること、病院勤務の看護師としてそれらに関わり少しでも貢献できるようになりたい、そうした仕組みやスキルを「知りたい」というふうに思われたようです。来年も是非とも参加しますとのことでした。(病院MSW)

●午前の部は、日本福祉大・野中猛先生の基調講演「他職種連携の原則」〜一人ひとりの豊かな生活の実現を目指して〜、半分くらいしかお聴きできなかったのですが、同大学4年生の私としては、学習のまとめを聴けて、おさらいになったなあと感じていました。午後の部は、認知症になった方を支える地域連携、難病女性の本人の主体性を尊重した支援のあり方、この栃木に、仲間がこうやって実現させているという現実を知る事ができて嬉しく思うと同時に他の地域でも「がんばってみよう」「こうやって生きられるんだ」と思っていただけて、元気がでたのではないかしらと思いました。いらした方がそれぞれに、自分の生き方、支援のあり方を考えるきっかけになり、勇気や元気をもらえたら、それでもう成功なのでしょうね。(看護師・障害者施設)

●本当に素晴らしい企画で、ネットワークの拡がるさまが、まるで、扇を拡げ、中国式の扇子のまあるくなったように纏まっていっていく。その中心はあくまで当事者であるという、凄い事例を壇上で展開するという・・・。落ち着かなくなって、立ち上がる彼に、やさしくお水を勧めて、しっかりサポートしたディの職員さん。さすがです。日常がそのまま展開されましたね。すっと手が出て行くけれども、けっして出しすぎず、寄り添う姿はあきえさんのチームにもみえました。これは病院の中では、なかなか見られないことです。それぞれが誰かに言われてではなく、お互いが情報を発信して繋がっていく様が、本当によく分かりました。あの壇上では言い表せない、さまざまなドラマがあり、これからも物語が、続いていくだろうなあと思い、この先の事も少し心配しながら余韻を残して終了でしたね。もっと、もっと、地域で活躍するそれぞれの職種の良さを、引き出し、つなげていく必要があるなあと感じ入りました。自分から情報を発信する事が連携の初歩ですと、午前中の基調講演でもしっかり話されましたよね。(訪問看護師)

●本日はお疲れ様でした。当事者の「語り」の力を改めて感じるシンポジウムでした。また来年もぜひ参加させていただきたいです。どうもありがとうございました。(通所・生活相談員)

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来年の2月11日も、また、自治医科大学の「第16回 在宅ケアネットワーク栃木」でお会いしましょう。第16回の大会長は、代表世話人の太田秀樹氏(アスムス)、大会テーマは「頑張れ、地域の市民活動」です。

※ホームページ掲載用に一部内容を割愛いたしました。
全文をお読みになりたい方は、こちらの「第15回 在宅ケアネットワーク栃木」報告(PDF版)をご覧ください。

<**NPO法人ゆいの里 理事・スタッフ一同**>

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